【薬の用法】食前?食後?ごはんが食べれないときはどうするの?

薬屋のひとりごと

みなさまは薬局で薬をもらったことがありますよね?

薬をもらうと、袋に用法が書いてあります。

  • 1日1回 朝 食後
  • 1日1回 昼 食間
  • 1日3回 毎 食前

こんな文字が書いてあるのを見たことがあるでしょうか。

おそらくみなさまは薬をもらうときに薬剤師から用法の説明を受けているでしょうから、袋に書いてある用法を守って薬を服用してくれていることかと思います。

ところで…あなたはこの用法を正しく理解していますか?

食前・食後とは食事の何分前または後のことでしょうか?食間とはそもそもいつのことでしょうか?

言葉の定義

食前:食事の30分前

食後:食事の30分後

食直前:食事の直前(食事前の10分以内ぐらい)

食直後:食事の直後(食後10分以内ぐらい)

食間:食事の2時間後 (※食事中ではありません!)

あなたが普段服用している薬、あるいは使ったことのある薬はどんな用法でしたか?

思い出してみてください。

では、これらの用法はどのように使い分けられているのでしょうか。

用法はどうやって使い分けられているの?

《食前》

吐き気止め、漢方薬などが処方された場合によく使用される用法です。

胃への負担が少ない薬や食前に服用することで吸収がよくなる薬を服用する場合にあてはまります。

《食直前》

一部の糖尿病薬でよく使用される用法です。

副作用防止の観点から特に用法を守ることが重要なものです。

《食直後》

油の吸収を高める胆汁が腸内に分泌されている食直後に吸収がよくなる薬や、食事中に含まれるリンの吸収を抑える薬などが処方された場合によく使用される用法です。

《食間》

薬同士の相互作用の防止の目的や漢方などのように空腹時に服用することで吸収がよくなる薬を服用する場合に使用される用法です。

ふ~ん…。

ところで、まだあなたが経験のある用法が出てきていませんね。

そうです。 ”食後” です。

世の中のだいたいの薬は ”食後” という用法で処方されています。

では、この食後という用法はどのような薬に使われており、なぜ食後に服用しなければならないのでしょうか。

《食後》

特に意味はありません!(※糖尿病薬など一部の薬は除く)

しいて言うなら、胃への負担の多少の軽減や、飲み忘れを防ぐといった目的でしょうか。

なので、正直いつ飲んだっていいんです笑

よくこんな質問をいただきます。

患者『食後ってことは、食事が摂れなかったら飲んじゃいけないんですか?』

風邪薬や整腸剤なんかをもらったときは、体調が悪くてなかなか食欲が出ないことも多いでしょう。

食後に飲む薬のために、無理やり食事を摂らなければならないのでしょうか…。

そんなことはありません。

ご飯を食べずに薬を服用しても全く問題ありません。(※繰り返しますが、糖尿病薬など一部の薬は除きます)

実際、だいたいの薬はいつ飲んだっていいんです。決められた用法を守るに越したことはありませんが、あまり神経質になる必要もありませし、ほとんどの場合において、食後の薬を食前に飲んでしまったとしても問題ありません。

どうしても用法通りに服用することが困難であれば、一度処方医に相談してみましょう。飲みやすい用法への変更を検討してくれると思いますよ^^

ただ、用量は必ず守ってください。

決められた用量を守らないと効果が出なかったり、副作用が出てしまうことがあります。(勝手に量を減らしたり、2回分まとめて飲んだりしてはいけません)

お薬は正しく理解し、正しく服用しましょう!

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